FC2ブログ

老人と海

  2年前に旅したキューバ・ハバナが舞台の『老人と海』(原題:The Old Man and the Sea、1958年、アメリカ)をBS録画視聴、原作は言わずと知れたアーネスト・ヘミングウェイの小説。

  老人(スペンサー・トレイシー)は小さな帆かけ舟でメキシコ湾の沖に出て、一本釣り漁で暮らしを立てている。あるとき数ヶ月にわたり一匹も釣れない不漁が続く。手伝っていた少年は両親から別の船に乗ることを命じられて、助手はいない。一人で沖に出た老人の針に、巨大なカジキが食いついて格闘が始まる。
_.jpg
  上のようにストーリーを書けば、非常に単純極まりないのだが、後半の小舟の上のスペンサー・トレーシーの一人芝居を通じて、老人の過去への郷愁や人間の孤独みたいなものを描いていく。老いや孤独に対して、「今出来ることをやる」というようなシンプルな挑戦、不屈の精神が、そこにあるのもアメリカ映画っぽい。

  老人役のスペンサー・トレイシーは生年から、この映画の制作年に57、58歳、チ〜とも老人じゃないでしょうと思うのは、寿命が伸びた現在だから言えることでしょうか。キューバ・ハバナへの旅でヘミングウェイの常宿であったホテルをわざわざ選んで泊まった私、もう一度原語(英語)の原作本に再挑戦してみないといけないかと思いました。(2年前には三日坊主でした)

夕陽の挽歌

  主演はウィリアム・ホールデン、ライアン・オニールという有名俳優なのに、地味な西部劇『夕陽の挽歌』 (1971年、アメリカ)をBS録画視聴。

  西部劇のカウボーイ(牧童)というとガン捌きが格好がいいイメージだが、大勢の男たちが過酷な労働を強いられて、タコ部屋のようなところで共同生活をしている。その中で、仲間の一人が暴れ馬によってあっさりと死んでしまう。
159211_01.jpg
  こんなブラック企業的な環境の中で、安穏な生活を夢見る初老の男(ウィリアム・ホールデン)と、牧童を続けることに疑問を持った若者(ライアン・オニール)が、二人して銀行を襲い、大金を手にする。当然、働いていた牧場を逃げ出し、州境をいくつも越えて、夢が叶えられると信じたメキシコに向かって旅立つ。

  いつの時代にも、厳しい現実から逃げ出そうとして、夢破れる人たちがいるということか。

飢餓海峡

  3時間超えという長尺ゆえに、なかなか鑑賞意欲が沸かなかったBS録画の『飢餓海峡』 (1965年、監督 内田吐夢)をやっと観る気になる。

  戦後間もない昭和22年、北海道岩内で質屋での強盗殺人放火事件が起き、そして続けるように台風による青函連絡船遭難により多くの犠牲者が出る。乗船客名簿にもなく、引き取り手のない2人の遺体に疑問を持つ刑事(伴淳三郎)は、この2人と一緒に小舟で津軽海峡に漕ぎ出した大男(三国連太郎)の跡を追う。男は下北半島の宿で娼妓(左幸子)と一夜を共にし、その身の上に同情して大金を渡して去る。
飢餓海峡
  これ以上はネタバレになるので書かないが、戦後間もなくから昭和30年初頭くらいまでの社会を、モノクロで描く作品。2回目の鑑賞になるのだが、犯人役の三国連太郎の眼光の鋭さには恐れ入る。(息子の佐藤浩一もいい役者だと思うが、絶対無理ではないか)

  映画のストーリーとは離れてしまうのだが、犯人も、娼妓も、刑事すら酷く貧しい。いや彼らを取り巻く社会全体が薄暗く、先の見通しがない世界に思える。この「飢餓」の時代を生き抜いてきたであろう私の祖父母(両親もそうだが、まだ若いか)は如何にどういう生き様で、この時代を過ごしてきたのだろうか。(「コロナ如きで右往左往しなさんな」と怒られそうだ)

夜の訪問者

  題名だけで、これ観たことあるよなと誤解していた『夜の訪問者』(1970年、フランス・イタリア)、‪チャールズ・ブロンソン主演。

  フランスの港町で自分の船を持ち、観光客相手の商売をしている主人公(ブロンソン)は妻と娘と幸せに暮らしている。そこへ、妻には話していない、刑務所時代の昔の悪い仲間たちがやってきて、妻と娘を人質にとり、犯罪に加担するように求められる。
808592_01.jpg
  鍛え上げられた肉体を持つブロンソンのためのブロンソンの映画。Tシャツにジーンズ姿で、いかつい顔立ちと、筋肉が盛り上がり血管が浮き出た太い腕に目を奪われる。オープンカーのドアを両足で飛び越えるブロンソンの身のこなしは、真似したくても、到底真似出来そうもない。ツール・ド・フランスの山岳コースみたいな山道での、赤いオペルのカースタントはCGがないこの時代で凄〜い。

  アカデミー賞を獲るような名作と言われる映画だけでなく、たまにはこういうB級映画(失礼)も大好きです。(ブロンソンがフランス語話しているのは、吹き替えなんでしょうが、ちょっといただけないかな)

人生の特等席

  このところ続け様に『ダーティ・ハリー』シリーズを観ていたせいか、主演のクリント・イーストウッドの老いを酷く感じてしまう『人生の特等席』(原題: Trouble with the Curve、2012年、アメリカ)を鑑賞。既に「オッサン」だったシリーズ最終作『ダーティ・ハリー5』(1988年)から24年後の作品。

  長年大リーグの名スカウトとして腕を振るってきた父(クリント・イーストウッド)、年のせいですっかり視力が弱っている。それでも引退する素振りを見せない彼の仕事に、チームは疑いの目を向ける。
人生特等席
  窮地に陥った父親に救いの手を差し伸べたのは、これまで長い間、疎遠だった娘(エイミー・アダムス)。そんな二人がスカウトという仕事を通して絆を取り戻していく。不器用でひたすら頑固な父親と、長い間そんな彼を遠くに感じる娘もまた頑固、そして父親同様無闇に野球に詳しい。

  『ダーティ・ハリー』のタフガイも、この映画では、オシッコがすっきり出ないし、薄暗い部屋の机につまづき、クルマはアチコチぶつけ、お釣りの紙幣を間違える。「老い」というのは、側で見るとこうも残酷なものかと思うが、最後はどうやら娘と打ち解けることが出来て、良かったね。(個人的にはこの邦題「人生の特等席」はどうもそぐわないと感じたが、老いを意識しだした世代にオススメ)

プロフィール

風城しん

Author:風城しん
1950年代半ば生まれ。時間があるのでいろんなことに興味を持つ。日々、思うこと、感じたことを少しずつ書き留めて行きます。

2019年2月『直腸癌ステージⅢ』の宣告を受けて即入院手術。4月より半年間の抗がん剤治療、その後、一時的ストマ(人工肛門)閉鎖手術を年末に終え、現在は「経過観察フェーズ」中。

所属する神奈川写真会ホームページへは以下をクリックして下さい(2020/4月より「活動ブログ」「WEB写真展」などに投稿始めてます)

➡︎神奈川写真会HPへ

【撮影機材】
ニコンD750
AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED
AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8E ED VR
AF-S NIKKOR 70-200mm F4G ED VR
AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8 G ED
AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G
AI AF Nikkor 35mm f/2D

ニコン1/J5
ニコン1/V2
1 NIKKOR VR 10-30mm F/3.5-5.6 PD-ZOOM
1 NIKKOR VR 6.3-13mm F/3.5-5.6
1 NIKKOR VR 30-110mm F/3.8-5.6

iPhone 7

ランキング参加しています

応援よろしくお願いします

アクセスカウンター

2013.5.2 設置

時系列アーカイブ

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR