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マネー・モンスター

  久々の現代が舞台の映画、『マネーモンスター』( 2016年、米、原題:MONEY MONSTER、監督:ジョディ・フォスター)を観る。(BS録画視聴)

  投資番組の生放送中、セットの影に潜む不審者が侵入、そして突然鳴り響く銃声。株の情報操作が意図的に行われ、全財産を 失くしたとを、視聴者に訴える犯人。数日前のオンエアで人気司会者(ジョージ・クルーニー)の発した情報が元だった。番組ディレクター(ジュリア・ロバーツ)はモニターとヘッドセットだけで、爆弾ベストを着せられた司会者と交信しながら、警察がすぐそばまで介入する中、事件の裏側に迫っていく。
マネーモンスター
  マネーゲームに狂奔するアメリカ、いやこれは現代の資本主義の病弊というべきものが、じわじわと明らかにされて行く。本当に実際にありそうなことで、やや人が良さそうな庶民の感覚に近い犯人に思わず同情する。やはり「マネー」が主役のアメリカの西部劇映画で、銃を使って銀行に襲いかかる悪人一団が、何やら「可愛く」思えてしまうくらいだ。

小さいおうち

  最近、BSプレミアムで放映された直木賞受賞の中島京子の同名小説(文春文庫・刊)の映画化した「小さなおうち」(山田洋次監督、2014年公開)を視聴。

  昭和11年、タキ(黒木華)は上京し、夫婦とその息子が暮らす、赤い屋根のモダンな三角屋根の家で女中として働き始める。優しい奥様時子(松たか子)やかわいらしい息子のいるその家での穏やかな暮らし。
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  その平和な家庭が美大卒業という一人の青年(吉岡秀隆)の出現により変化する。時子の気持ちの機微や揺れを山田洋次監督は婉曲的に、間接的に描いていく。その気配に気づくタキ、出征する青年に託された奥様から手紙にある決断をする。これらを老女タキ(倍賞千恵子)が死ぬ直前に書き残した大学ノートから、遠縁の大学生(妻夫木聡)が読み解いていく。

  タキが、なぜそういう決断をしたかは、全て「観ている人」の解釈に委ねられている。戦前の中流家庭を通じて、日本社会が戦争へ向かっていく姿を映し出しているのだが、急に何もかもが突然変わったのではなく、ちょっとした些細なことから「何となく」時代が動いていく様が伺える。時代の激動って庶民から見れば、そういうことなのかも知れない。(今我々の周囲で起きていることもそういうことなのかも・・・)

阿弥陀堂だより

  上野の国立博物館にでも出かけようかと思っていたら、「新型コロナ」騒ぎで閉館が決まり、仕方なく自宅で安全にBS録画した『阿弥陀堂だより』(2002年公開)を鑑賞。

  雨上がりの日本らしい森や川の風景を清々しい映像を見せた『雨あがる』を観て、最近の日本映画も捨てたものではないと思った監督・小泉堯史作品。東京での生活に疲れて心を病んだ女性医師(樋口可南子)と売れない小説家(寺尾聡)の熟年夫婦が、信州の美しい自然の中での暮らしを通して、生きる張り合いみたいなものを取り戻していく姿を描く。
阿弥陀堂
  鑑賞後に各種「映画レビュー」を読むことを習慣にしているのだが、「ストーリー展開が退屈」「田舎を美しく描きすぎ」「村人に意地悪な人がいない」・・・などネガティブな評価はあまたあるが、信州の四季折々の美しい原風景と阿弥陀堂を守っている老女役の北村谷栄の演技には圧倒的される。

  個人的には劇中で読まれた宮沢賢治の「雨ニモマケズ」が妙に気にかかり、後で調べたりした。(せっかく調べたので転記しておきます)

雨にも負けず  風にも負けず  雪にも夏の暑さにも負けぬ  丈夫なからだをもち
慾はなく  決して怒らず  いつも静かに笑っている 
一日に玄米四合と 味噌と少しの野菜を食べ
あらゆることを 自分を勘定に入れずに  よく見聞きし分かり
そして忘れず  野原の松の林の陰の 小さな萱ぶきの小屋にいて
東に病気の子供あれば  行って看病してやり
西に疲れた母あれば  行ってその稲の束を負い
南に死にそうな人あれば  行ってこわがらなくてもいいといい
北に喧嘩や訴訟があれば  つまらないからやめろといい
日照りの時は涙を流し  寒さの夏はおろおろ歩き
みんなにでくのぼーと呼ばれ  褒められもせず  苦にもされず
そういうものに  わたしはなりたい

  

戦場のピアニスト

  録画してしばらく経つのだが、なかなか視聴する気になれなかった『戦場のピアニスト』(原題: The Pianist、フランス・ドイツ・ポーランド・イギリス合作、2002年公開、150分)。初見だが、こういう「重苦しい」とわかっている映画を観るには、上映時間が長いこともあり、ある種の勇気と気力が必要になる。

  第2次世界大戦、ドイツ侵攻下のポーランド・ワルシャワでの実在のユダヤ系ポーランド人ピアニストの原作を元に、その生き延びるための苦難を描いている。
戦場のピアニスト
  ドイツ軍が次々と指示するユダヤ人財産制限、ユダヤ人明示義務による差別の徹底、ユダヤ人居住地区(ゲットー)への強制移動、そして、強制収容所への移動。その都度、あたかも 家畜を移送、あるいは殺すかというようなドイツ軍兵士の残虐さ(それも老若男女、子どもも問わない)。 そこへ迎合するユダヤ人自身によるユダヤ警察組織の存在もある。主人公は地下運動家の用意した隠れ家で、かろうじて飢えながらも生き延びるが、外でのゲットーの蜂起がドイツ軍の鎮圧されるのを見ながら悲嘆にくれる。

  上のポスターのように、ワルシャワの町は完膚なきまでに破壊し尽くされ、まともな建物が何一つ残っていない、その引きの映像は圧巻。その廃墟の中で主人公は身を隠し続け、結局のところ愛する音楽が身を助けることになる。 (ネタバレになるのでここは書かない)

  実話なので鑑賞後は「空虚感」「虚脱感」がやや残ってしまう映画だが、アカデミー賞の監督賞、脚色賞、主演男優賞の3部門受賞作品、観ていない方は是非ご覧ください。

武士の家計簿

  BSの歴史番組でよく解説をしている磯田道史氏の著書が原作というのに興味を持ち、『武士の家計簿』(2010年公開、監督森田芳光)を観る。

  これが果たして「時代劇」というジャンルの映画に入るのだろうか。加賀藩の下級藩士(言わば会計処理の役人)を務めた家に残された、入払帳(家計簿)や書簡をもとに、この一家の三代にわたる平坦な生活を描いている。
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  江戸時代末期、武士身分であることによって生じる祝儀交際費の決まりごとなどにより、借財が大きくなり過ぎて借金整理を決意せざるを得ない一家。このときの当主(堺雅人)は家財を売り払い収入、支払いを記載する入払帳がつけることでこの苦難を乗り切っていく。(その後、父に反発していた当主の息子は代々家職で得た能力、事務処理と計算で、新政府方に入り軍の財政を支え、後に海軍主計大監に昇進するという)

  状況や程度は全く違うのだけど、いつの世も庶民の生活には閉塞感が付きまとう。そのとき置かれた立場や環境の中で、めげずに職務や家業を全うする人たちが、世の中を支えているということだろうか。

プロフィール

風城しん

Author:風城しん
1950年代半ば生まれ。時間があるのでいろんなことに興味を持つ。日々、思うこと、感じたことを少しずつ書き留めて行きます。

2019年2月『直腸癌ステージⅢ』の宣告を受けて即入院手術。4月より半年間の抗がん剤治療、その後、一時的ストマ(人工肛門)閉鎖手術を年末に終え、現在は「経過観察フェーズ」。

【撮影機材】
ニコンD750
AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED
AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8E ED VR
AF-S NIKKOR 70-200mm F4G ED VR
Ai Nikkor 50mm/F1.4S
AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8 G ED

ニコン1/J5
ニコン1/V2
1 NIKKOR VR 10-30mm F/3.5-5.6 PD-ZOOM
1 NIKKOR VR 6.3-13mm F/3.5-5.6
1 NIKKOR VR18.5mm F/1.8
1 NIKKOR VR 30-110mm F/3.8-5.6

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