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還暦からの底力

  新聞の3面下段あたりに「売れ筋本」として、よく広告が載っている『還暦からの底力―歴史・人・旅に学ぶ生き方』 (講談社現代新書、出口 治明著)を題名につられて読んでみる。

  非常に多くの本を出版し、週刊誌などの連載も多く、講演などの数もこなしているこの筆者、読書家で相当博学なんだろう。本の題名から還暦過ぎのシニア向けに書かれた本だと思われるかもしれないが、内容はどの年代が読んでも良いことが多く含まれているので、若い人が素通りすることはない。ひょっとしてシニア向けの題名をわざわざつける方が、本として売れるのではと勘ぐってしまう。(若い人は一般論として本を買わない?オジサンだって本読まない人はたくさんいるのに・・・)
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  本の内容は多岐に渡るので、ここでは多くを書かないが、自分がアンダーラーンを引いたいくつかピックアップすると
・人間は一生懸命自分の好きなことをするのが一番幸せ。
・「人・本・旅」でいろいろな人に会い、いろいろな本を読み、いろいろなところに出かけて行って刺激を受けたらたくさん学びが得られ、その分人生は楽しくなります。
・生殖機能を失った高齢者が生かされている歴史的、生物学的意味は、次世代を健全に育成すること。
・人生において教養が重要である理由は、教養がある人は、教養がない人に比べて豊かで楽しい人生が送れるから。「教養=知識×考える力」であり、これは「おいしい人生」を送るためには必須。

  お暇なら本屋でパラパラめくるのも一興かと。

大名倒産

  以前にも書いたのだが、コロナ禍でGWも帰省すら出来なかった単身赴任中の会社同期の友人が、有り余る時間の中で読み終えた二つの小説を送ってくれた。本の贈り物というのはあまりいただいた経験がないのだけど、時間がたっぷりある私にとってはとてもありがたい。

  この中から『大名倒産』(文藝春秋社、浅田 次郎著) 、上下巻あって結構長い時代小説に取り組んだのだが、特に下巻は入院という読書にとっては、またとない好タイミングで一気に読了する。
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  260年も続く平和の時代、とっくに財政破綻している大名家を「計画倒産」させて、財政危機をチャラにしようという先代の殿様の陰謀、これに対して、なんとか藩財政を立て直そうと実直な若殿様がこの問題に真剣に取り組む。ここへ、七福神や貧乏神、疫病神、死神、さまざまな神様を巻き込んでのおとぎばなしを織り込んで、物語がすすんでゆく。荒唐無稽と言ってはそれまでだが、どっこいこれが面白い。

  登場人物が多く、神々まで出演して少し頭の中が混乱したが、最後まで息をつかせないで読ませる。下手なTVドラマよりも、ザッツ・エンターテインメントって趣きを感じる。我々が知る江戸時代感、歴史的リアリズムみたいなものを上手く織り込んで、フィクションなのにそうは思えない現実感があったりする。(同じく浅田次郎著の『流人道中記』もいただきましたが、少し休んでから読み始めることにします)

友情について 僕と豊島昭彦君の44年

  昨年、自分自身の抗がん剤治療が始まった闘病中、新聞広告(2019年5月発刊)で読みたいと思ったことを、すっかり忘れていた『友情について 僕と豊島昭彦君の44年 』(佐藤優著)を外出自粛のベッドの中で、amazon kindle本サイトで発見する。

  元外交官でたくさんの著作がある作家・佐藤優が、浦和高校の同級生・豊島君(実名、以下本に書かれている「君付け」で呼ぶ)と40年ぶりに会い、その直後に彼が膵臓がん第4ステージと宣告されたと知らされる。著者は仕事の優先順位を変え、友・豊島君の真剣に向き合う生き方と、その苦難に満ちた人生を、「残りの時間」を気にしながらインタビューし、一冊の本として綴っていく。
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  豊島君は、浦高、一橋大学を経て日本債権信用銀行と、当時のエリートと見做されるような進路を取るが、バブル破綻で誰もが潰れることはないと思っていたこの銀行が経営破綻、救世主として乗り込んできた外資系投資ファンドの外国人上司との軋轢、転職したゆうちょ銀行の上司との齟齬などが生々しく描かれる。

  彼は1959年生まれで私より少し年下だが、業種は全く違えども、同じビジネスパーソンとして、ほぼ同じ時代を生きてきた。彼の「個人史」が語られているのだが、そこには「組織」で生きる上の、ある種の「普遍性」が織り込まれている。一人の普通の人間が「どう生きていてきたか」を、余命を意識せざるを得ないときに、自分たちの後に続く世代(特に自分の子ども)にどう残すかどう伝えるかというのは、癌を宣告された自分自身が考えたこととと重なる。
  
  「友情」という、人生の中で長らく使ったことがなかった単語にも、何かしら再び考えさせられるものがある。(豊島君は昨年6月逝去されたとのことです)

書籍代にいくら使うのか

  コロナ禍で図書館が休館だった約3ヶ月(3月上旬〜5月末)に一体どのくらい書籍代を使っているのか調べてみた。

  ほとんどがkindle本なので、amazon履歴をチェックすればすぐ分かり、結果は1万5千円ほど、1ヶ月あたり約5千円ということになる。この期間は図書館が一切開いていなかったので、「購入した本=読んだ本」(完読していない本もあり)とすれば、これが現時点の私の金額換算の読書量ということになる。(雑誌は基本的にビューンという月額480円のサブスク・アプリで読んでいるが、これは含めていない)
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  最近は新書のような軽めの本(1000円以下)を選ぶことが多いので、平均すれば週1冊程度購入していたということになろうか。思ったより少ないないなあというのが、率直な感想。ちょっとした読書家だったら、書籍代は万単位ではないかと思ったりする。

  図書館がやっと開いたのでここを活用すれば、これからこの金額はもっと少なくなるが、読書は「心の栄養」「心の平衡を保つ糧」と考えているので、ここに対してあまり吝嗇にはなりたくない。

世界史の針が巻き戻るとき 「新しい実在論」は世界をどう見ているか

  NHKのBS1スペシャル「欲望の時代の哲学2020 マルクス・ガブリエル NY思索ドキュメント 日本へのメッセージ」というGWにやっていた番組の録画を観たものだから、『世界史の針が巻き戻るとき 「新しい実在論」は世界をどう見ているか』((PHP新書、マルクス・ガブリエル著、 大野 和基翻訳)という「哲学を語る」本を買ってみた。

  「哲学」なんて学んだことはない、「実在論」って何?ってレベルで、大体のところ実学かせいぜい歴史の本程度しか読んだことがない自分が、果たしてこの手の理解できるのか。分厚い本ではなく、日本人向けのインタビューをベースに構成して本にしたということであるが・・・
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   世界史の時計の針が19世紀的世界観に巻き戻りつつあると筆者は警鐘を鳴らす。それは「5つの危機」すなわち「価値」「民主主義」「資本主義」「テクノロジー」「表象」、これがいかに世界の主要な国々を退行させようとしているかを示唆している。(これだけでは、分かったような分からない説明で申し訳ありません)

  この手の哲学書を読み込んでいない私には、一つ一つの単語の意味が咀嚼出来ずに消化不良を起こしそうな本と言える。ただ、著者はやはり気鋭の学者で頭がいいんだろうと思う、物事の意味を自分の頭で本当に真剣に解釈し、そして説明していこうという姿勢が貫かれていることは強く感じた。

プロフィール

風城しん

Author:風城しん
1950年代半ば生まれ。時間があるのでいろんなことに興味を持つ。日々、思うこと、感じたことを少しずつ書き留めて行きます。

2019年2月『直腸癌ステージⅢ』の宣告を受けて即入院手術。4月より半年間の抗がん剤治療、その後、一時的ストマ(人工肛門)閉鎖手術を年末に終え、現在は「経過観察フェーズ」中。

所属する神奈川写真会ホームページへは以下をクリックして下さい(2020/4月より「活動ブログ」「WEB写真展」などに投稿始めてます)

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【撮影機材】
ニコンD750
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AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8E ED VR
AF-S NIKKOR 70-200mm F4G ED VR
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ニコン1/J5
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