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お金の使い方

東京は観光客の増加のせいなのか、お得感のあるホテルの予約は取れにくく、かつ価格も上がっている。羽田空港の早朝便に搭乗するために寝るだけと割り切って選んだのはカプセルホテル、ただし個室タイプで、通常のものより1000円ほど高かった。(4500円)

台湾の一泊目は新竹でも高級な方の「国賓大飯店」一泊2950元(11000円ちょっとでデラックスな朝食付き)。広い室内にはソファやデスクもある。

東京で同じ値段を出しても、せいぜいビジネスホテルというところが関の山だろう。バスルームだけでも、あのカプセルホテルより広い部屋でコーヒーを飲みながら、お金の使い方ってよく考えないと、とっても損するんだろうな・・・なんて考えている。

台湾の物価、安っ!

羽田空港から無事に台北/松山空港に着き、手荷物をピックアップして、空港の外に出てまずやるべきことは両替、そしてこのために買った「フリーSIM」のiPhone、海外で使おうというのが購買理由の一つだから、さすれば生かさねばならない。プリペイドのSIMカードを売っているカウンターを探す。

窓口のお姉さんに英語と中国語で自分の意図を伝えれば、3日間でデータ量上限なしの電話番号付きのSIMカードがわずか300元という。(レートは3.8円/元なので1日100元で、1日あたり日本円わずか380円)SIMカードの抜き差しも設定も親切に彼女がやってくれる。
また、地下鉄で松山空港から台北駅まで乗り継ぎがあるのにわずか25元(100円弱)、そこから新竹まで90km(東京から小田原が約74km)もあるのだが在来線特急でで、わずか177元(700円弱)。
日本って何でもかんでも物価高すぎやしませんかと思う、久しぶりの台湾です。

セデック・バレ

「セデック・バレ」と言って、分かる人は相当の映画通か、台湾通だと思う。私が台湾駐在していた2011年の台湾映画で、彼の地では、かなり賞をもらい評価されていた作品だ。その時に観たかったのだが、日本語訳が付いていなかったので、観れず仕舞いで帰任となってしまった。帰国後の2012年に確か日本でも、上映されていたはずだが、こういうマイナーな作品はほんの一部の映画館でしか観れずに見逃していた。天気の悪い土曜日、久しぶりのTSUTAYAの隅っこでこの作品を見つけてしまう。1部、2部にDVDは分かれていて、合計で4時間16分という、今時あり得ない大作だ。1部を観たら、明日にでも2部は観ようかと思っていたら、黒澤明の「七人の侍」のような、あまりの活劇に続けて観てしまう。
知らない方に、筋を少ししだけバラすと、日本統治時代の台湾に起きた「霧社事件」という日本人が集まる運動会で、日本人だけが140人あまり殺されるとう、先住民セデック族(台湾では原住民と言われている)が起こした抗日暴動事件がベースになっている。この話を、セデック族の視点から描いている。
台湾に住んでいたおかげで、かなり台湾の歴史、特に日本統治時代についての歴史の本は読んでいた。先日、このブログで書いた後藤新平の時代は、1895年に始まった日本統治時代の初期であるが、この事件は統治が30数年経って、やや落ち着いたであろう1930年に起きている。原住民というのは現在の台湾の人口のわずか2%足らずのはずで、この当時もそう多くはなかったはずだ。しかしながら、民族の誇りというのはどんなに小さくても、軽蔑してはいけない。そういう些細なことが、事を大きくしていく。為政者としての日本人が描かれているので、やや戸惑うことがあるが、決してこの監督の描き方は、反日の視点ではないと思う。イングランドに虐げられるスコットランドを描いたメル・ギブソン主演「ブレイブ・ハート」との共通点ををちょっと感ずるが、現在も戦闘や空爆が続くイスラエルのガザ地区など未だに、こうした民族の誇りというようなものがあるのだろう。

別れのとき

 昨日が台湾での出社最終日、全員と話すわけにはいかないが何人かの幹部と個別に別れを告げる。退社時間になると驚いたことに出社している社員全員が人垣を作って見送ってくれた。写真を撮るもの、拍手するもの、涙を見せるもの・・・別れの瞬間はあっという間に過ぎていく。
 今朝はホテルで朝風呂なんぞに浸かりながら、まったりと住んでいた街を見下ろしている。別れのときは“旅立ちのとき”でもある。さてと、これから身支度をして台北・桃園空港に向かい最後のフライトに乗ることにしよう。

日本語世代

 台湾には日本語世代と呼ばれる人たちがいる。日本語をとても流暢に操る人たちで、つまり1945年まで日本が統治していたときに日本の教育を受けた人たちを指す。もっとも代表的な人物は元総統の李登輝だろうか。彼は『二十歳までは日本人だった』と自称するくらいで、日本語でものを考えると言われているくらいだ。
 会社で身寄りのない子供たちを世話をしている養護施設に毎月寄付をしている。その施設の運営をしているお年を召された方と知り合う機会があった。もう4年ほど付き合っているのだがこの夫婦がちょうど日本語世代である。台湾を去ることが決まり、ご挨拶に伺うと奥さんが出てきて一緒に食事をしたいと誘われる。なんとか日程をやりくりして今宵はその食事をする。奥さんに最後なので失礼だがお歳を教えてもらえないかと言うと、『昭和3年生まれ』と答える。ということは終戦のときは16、17歳だったんだ。いまでも毎日NHKのニュースを見てるそうである。だんなさんはと聞くと『大正の終わりよ』とのこと。おそらく86、87歳あたりだろうか。食事が終わって帰ろうとすると是非、彼らの自宅に来てカラオケをしようと言う。私は北京語の歌など歌うのだが奥さんは徹底して日本語の歌しか歌わない。こうした日本や日本語に特別の愛着を持つ日本語世代もさすがにお年であり、近い将来いなくなっていく。その子供の世代はこの日本語世代の想いをそれなりに受け継いではいるが徐々に日本に対する特別な感情は薄れていくのが自然だろう。  

                

プロフィール

風城しん

Author:風城しん
1950年代半ば生まれ。時間があるのでいろんなことに興味を持つ。日々、思うこと、感じたことを少しずつ書き留めて行きます。

2019年2月『直腸癌ステージⅢ』の宣告を受けて即入院手術。4月より半年間の抗がん剤治療、その後、一時的ストマ(人工肛門)閉鎖手術を年末に終え、現在は「経過観察フェーズ」中。

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