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ウィンター・ウォー 厳寒の攻防戦

  このところヨーロッパ各国(チェコ、ドイツ、ハンガリーなど)が描いた戦争映画鑑賞が続いている。『ウィンター・ウォー 厳寒の攻防戦』 (1989年、フィンランド)。

  1939年、ソ連がフィンランドに対して、国境に近いカレリア地峡の割譲を要求、しかし交渉は難航。赤軍の侵攻の脅威が迫る中、フィンランド軍の予備役も招集され、その中には平凡な農夫の兄弟が含まれていた。映画はこの兄の眼から見る冬戦争。軍からの貧相な装備支給に驚き、やがて数週間の訓練の後、赤軍が人海戦術で押し寄せる戦場へと向かう。
冬戦争
  この映画をきっかけにフィンランドを勉強すると、ロシア(旧ソ連)と長い国境を接し、不可侵条約があるにも関わらず、ここで描かれた冬戦争ではソ連に侵略されるが、バルト三国のようにソ連へ併合されたり、ソ連に占領された東欧諸国のように完全な衛星国化や社会主義化をされたりすることはなかった。

  フィンランドは人口が数百万人しかいない小国ながら、しっかりした予備役や徴兵制(現在でもこの制度があるのは少ない)を保ち、ウクライナ侵攻によりこれまでの方針を変えて、今年NATO加盟を果たした。

  映画は長〜い(199分)、主に塹壕での戦闘シーンがこれでもかと続く。(少々疲れを覚える)

#ウィンター・ウォー 厳寒の攻防戦

西部戦線異状なし

  観た映画の中では、制作年が最も古いであろう、『西部戦線異状なし』(原題:All Quiet on the Western Front、1930年、アメリカ)をprime video視聴。

   以前に読んだ『第一次世界大戦』 (ちくま新書、木村 靖二著)という本の影響でいつか観てみたいと思っていた映画。ドイツからみて「西部戦線」であるフランス、ベルギーの国境に広がる、陸続きが故に、全長750kmというとんでない距離を誇る「塹壕」を中心にした戦いが描かれるという事前知識があったからだ。
西部戦線
  老教師が愛国心を煽り、戦時下の学生たちを戦場へと向かわせる。志願兵となった彼らは西部戦線へ、塹壕の中で砲弾の爆音に慄く彼らの表情はリアル。当時の武器(せいぜい機関銃)では、塹壕戦は防御側有利で、これが戦いを膠着させる中、兵士となった学生たちは一人、また一人と恐怖と戦いながら死傷していく様を、これでもかと描く。こんな戦争の虚しさを述べた小説があり、映画がありながら、なぜ戦うの?(2020年のリメイク版も観たくなる)

  未だ世界は「All Quiet」ではない。

#西部戦線異状なし

MERU/メルー

  2月に受けた手術の違和感がまだ残り、本格的な(?)トレッキングをまだ始まることができず、山岳もの映画を無性に観たくなり、prime videoから『MERU/メルー』(2015年)を選択。

  全編ドキュメンタリーというのは私の映画鑑賞歴からは珍しい。インドのヒマラヤ山脈のメルー峰にある「シャークス・フィン(サメのヒレ)」ルートの初めてになる登頂を記録。(最難関のルートらしい)
メルー
  登頂に失敗を重ね、転落事故に遭っても、その致命的なケガからの回復と戦い、また次の機会を窺う。エベレストなどと違い、荷上げをシェルパに頼ることが出来ず、三人のメンバーだけで行う。手持ちのカメラで撮影した映像は、当然臨場感に溢れている。(フィクションとは違い淡々と進む)

  垂直に近い岩場でテントを吊って、この中で休息や睡眠、食事をしながらの登頂。何が彼らのインセンティブなのか・・・(山へ登りたくなる気持ちは少し分かるが、こんな場所あり得ない)

#MERU
#メルー

ウォーキング・ウィズ・エネミー  ナチスになりすました男

  東欧の歴史を知りたくて選んだのはハンガリーでの実話ベースの映画、『ウォーキング・ウィズ・エネミー  ナチスになりすました男』(2013年、原題:Walking With The Enemy、アメリカ、カナダ、ルーマニア、ハンガリー)をprime video鑑賞。

  今月はチェコの「ホロコースト」(第二次世界大戦中にドイツがユダヤ人などに対して組織的に行った絶滅政策・大量虐殺を指す)映画を観たが、こちらはハンガリーが舞台。ナチスからユダヤ人を逃す主人公の作品は「シンドラーのリスト」を始めとして山ほどあるが、ゲシュタポの制服を着てナチスに扮して多くの人々を救ったという勇気ある行動、怖くてとっても真似できそうもない。
ナチスになりすました男
  ハンガリー政権がナチスに徐々に支配される様が描かれ、同胞を裏切るのが同胞だったりする。ヨーロッパの陸続き、そして軍事大国に挟まれた小国が、自らの意志で国を運営することの難しさがよくわかる。しかし「ホロコースト」という残酷極まりない行為、一体何故この時代のドイツで芽生えたのか、よくわからないことだらけ。

  実話と聞くと一層重たくなる映画。

#ウォーキング・ウィズ・エネミー  ナチスになりすました男

きっと、またあえる

  今年、インドの人口が世界一になるというニュースを知って、『きっと、またあえる』(2019年、インド)をprime video視聴。(脈絡がない)

  名門大学出の父を持つ受験生が受験に失敗し自死を企て、病院に担ぎ込まれる。そこに集まったのは、父のかつての学生寮の仲間たち。年を重ね、それぞれ容姿はだいぶ変わったものの、泣いて笑ってバカをやった昔の友情は、今も変わらぬない。受験に失敗した友人の息子を励ますため、悪友たちは「負け犬時代」の奮闘を病室で語り始める。
きっとまたあえる
  劇中ではなく、物語が終わってから、踊りが登場するのがこの映画の特徴。病室からの回顧談だが、基本的にはコメディ、日本にもかつてはあった、ある種の昭和的なパワーや活力を感じる。なぜか元気を取り戻す秘訣を知っているというのが、自分の中のインド映画の総評。

  インドのエリートたちはこんな立派なタワマンに住んでいるんだ(貧富の差スゴイ)、一日に18時間も受験勉強してるんだ(難関校に入るの大変そう)・・・インドの社会問題も教えてくれます。

#きっと、またあえる
#インド映画

プロフィール

風城しん

Author:風城しん
1950年代半ば生まれ。時間があるのでいろんなことに興味を持つ。日々、思うこと、感じたことを少しずつ書き留めて行きます。

2019年2月『直腸癌ステージⅢ』の宣告を受けて即入院手術。4月より半年間の抗がん剤治療、その後、一時的ストマ(人工肛門)閉鎖手術、腹壁瘢痕ヘルニア手術を経て、現在は「経過観察フェーズ」中。

所属する「神奈川写真会」(旧称)、「写人会」のホームページへは以下をクリックして下さい(2020/4月より「活動ブログ」「WEB写真展」などに投稿始めてます)

➡︎神奈川写真会HPへ

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【撮影機材】
ニコン Z6Ⅱ
AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED
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