2013/07/31
「モノ」消費の変化
母の冷蔵庫が酷い騒音をたてていることに気付いた。古いモノなので、直すより新しいモノを買った方が安かろうと、母を乗せてクルマで家電量販店に買いに行く。近所にあった親切なオジサンが居る、修理を主にやっていた家電店はなくなっているので、そうするしか方法はないのだ。年寄りでクルマの運転が出来ない人たちはどうしているのだろうかなどと、要らぬことを考えてしまう。小さな冷蔵庫なので価格は3万円強と安いのだが、古い冷蔵庫の廃棄に5000円以上かかると云う。母のような高齢者にとって、「モノ」消費は「一つ買ったら、一つ捨てる」ことに他ならない。新しいモノを喜んで受け入れる意欲や余地は既にない。我々還暦が近づいたような世代にはまだ「モノ」消費はあるのだが、ほとんどの「モノ」を既に持っているので、何か新たな「モノ」を買うには、その「モノ」は語るに値するものでなくてはならないだろう。ただ、安いとかでは買う理由に当たらない、あるこだわりがない限りは購買意欲がわかない
こうして高齢化社会の日本の「モノ」消費が落ちていく。その反面、想い出を作るような「コト」消費が増えていく。旅行、健康づくりの教室通い(水泳教室、フィットネスクラブなど)、趣味の教室通い(絵画、習字、語学など)、外食、美術館など展示会に行く、スポーツをする、などなど。先日行った落語公演なんても典型的な「コト」消費だろう。
ただし、これら「コト」消費に伴う「モノ」消費だけは、しっかりと増えている。例えば、「水泳教室に通うときに、新しい水着を買う」、「ハイキングに行くので、登山用のシャツやズボンを買う」などだろうか。最近の我家の消費傾向から、これからの高齢化社会のマーケティングを考察してみた。