2017/01/31
マスカレードホテル
今回はクルマ旅ではなく、列車(バス)旅なので、長い乗車時間つぶしに何か本でも買おうと乗り換え駅の書店に飛び込む。もうビジネス本はとっくに卒業したし、かといって旅の最中に教養を深める小難しい新書はないだろう。そういえば大学生の頃、むやみに推理小説を読んでいたことを思い出す。現代の推理小説作家など知らぬが『東野圭吾』という作家なら知っているので、彼のコーナーでなんとなく手にとった『マスカレードホテル』(集英社文庫)を選ぶ。
久しぶりに読む推理小説、会社に入ってからこういうエンターテイメント小説とも言える本を、仕事が忙しかった日々の中で役に立たないと少々バカにしていたのではあるまいか。一度読み始めたら、車窓の風景の移り変わりがが気にならないほど、ページをめくるのが楽しい。ホテルクラークの女性と男性刑事という二人の主人公の、プロとしての仕事ぶりやホテルを舞台で起きる様々な事件に、徐々に惹き込まれていく。雨の降っていた昨日の朝も観光を諦めて、ホテルでチェックアウト時間ギリギリまで読んでいた。若い時に夢中になったことは、今この歳になってやってみるとあらためて楽しい事に気づきはじめている。