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本音化するヨーロッパ 裏切られた統合の理想

  日本につきつきられた少子化問題、そこでこれにまつわるであろう「移民問題」に少々興味がある。読売新聞元ベルリン特派員の著者の『本音化するヨーロッパ  裏切られた統合の理想』 (幻冬舎新書、三好 範英著)を手に取る。

  発刊は2018年とウクライナ紛争勃発の前なのだが、リトアニアのルポなどは、お人好しの日本人とは違い、「他国の侵略によって独立が失われた国とは安全保障に関する皮膚感覚が違う」ことを思い知らされる。例えば、ロシアに蹂躙された歴史があるこの国では、民間防衛組織があり20歳代から50歳までの民間人が軍事訓練を受ける。私などは「人口が3百万人に満たないこの国が、ロシアに到底敵うわけがない」と安易に思ってしまうが、「市民が侵略に抵抗する意思を示す(これには犠牲が伴う)ことが重要で、これがあるからNATO軍が助けてくれる」「ロシアの帝国主義的関心はいつかぶり返す」・・・(現在のウクライナの状況を予見する内容)
本音化
  最も関心がある移民問題、ここで書き切れないくらい深〜い。EU統合という理想論、域内の自由移動が出来るようになり、経済的により貧しい地域から、福祉にただ乗りにやってくる。徐々に、シリア、アフリカから「難民」と称する集団を受け入れる。受け入れ側は安い労働力として安易に受け入れた。その人たちが長く(2〜3世代)住むようになるが、多くの日本人が中高生であれだけ勉強したのに英語を話せないように、ドイツ語がそうすんなり話せるわけがない。語学のような「同化」プログラムはたくさんあっても、出身国の行動原理を残したまま、結局現地に馴染もうとしない。かなりの比率(2~3割)が外国人になったときの社会が抱える緊張感は計り知れない。(経験していない日本人には理解できない)

  現代ヨーロッパの苦悩や苦難、学ぶこといっぱい。(この著者の著作もっと読みたくなる)

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#裏切られた統合の理想
#三好 範英

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プロフィール

風城しん

Author:風城しん
1950年代半ば生まれ。時間があるのでいろんなことに興味を持つ。日々、思うこと、感じたことを少しずつ書き留めて行きます。

2019年2月『直腸癌ステージⅢ』の宣告を受けて即入院手術。4月より半年間の抗がん剤治療、その後、一時的ストマ(人工肛門)閉鎖手術、腹壁瘢痕ヘルニア手術を経て、現在は「経過観察フェーズ」中。

所属する「神奈川写真会」(旧称)、「写人会」のホームページへは以下をクリックして下さい(2020/4月より「活動ブログ」「WEB写真展」などに投稿始めてます)

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